「在宅で好きな時間に働きたい」「隙間時間でお小遣い稼ぎしたい」「そのうち本業にできたら嬉しい」様々な理由で、副業としてハンドメイド販売をスタートさせたいと考えている人も多いですが、気になるのは、「ハンドメイドって実際売れるの?」という事ではないでしょうか。
本記事では副業でハンドメイド販売を考えている初心者の方向けに、現役副業ハンドメイド作家が始め方や失敗しないための注意点、実際売れるのか?について、実体験を交えて解説します。憧れだけではやっていけない、でも魅力たっぷりのハンドメイドの世界をお伝えします。
副業でハンドメイドを始める方法
ここではハンドメイド販売を開始するにあたり何から準備していけばいいのか、実際に私が行っていった順に解説します。
販売アイテムを決める
まずは何を作っていくのかジャンルを決めます。続けていくには得意なモノ、好きなモノを選ぶ方が多いです。すでにご自分の得意ジャンルがある方は、そこを極めていくのがいいでしょう。しかし得意ジャンルが決まっていない場合考えないといけないのが、世の中の需要と競合です。
人気ハンドメイドジャンルだとアクセサリーや布小物はとても多くの作家さんが活躍しています。お客様からの需要も多いですね。ただ、多くの作品に自分の作品が埋もれてしまう可能性も高くなります。
同じ様なモノを作って新規参入するとなると、他の人と差別化できるかしっかり考える必要があります。特に特徴がないまま闇雲に参入しても価格競争に巻き込まれかねません。個人事業主が価格で勝負すると悲惨です。まず新規参入者は勝てません。
ずっと続けられるくらい好きなジャンルか?自分なりの特色を出せるか?需要はあるか?このアイテム決めはとても重要なフェーズですのでしっかり考えて決めましょう。
独自性と世の中の需要をしっかり考えよう
どんな人のために作るか決める(コンセプトを決める)
アイテムが決まったら、どんな人に商品をお届けしたいのか考えます。自分の作りたいものを闇雲に作って気ままに販売するより、こんな商品があれば誰かのために役立つな、という視点で制作します。
「お届けしたい人は30代女性」というざっくりした決め方ではなく、ママさんか?独身の方か?パート勤め?営業職?どんなとこに住んでいて、どんな生活を送っているのか。
商品を届けたい人の1週間の生活を想像しながら、どんな場面で自分の商品が役に立つのか考えた上で制作すると、たとえ同じジャンルの商品を作っていたとしても需要が異なりますので欲しい人にしっかり刺さる作品作りが出来るようになります。
一生懸命作ったモノを喜んで使っていただけることは、作家にとって本当に嬉しい事です。お届けしたいたった1人を最大限の妄想力で想像してみて下さいね。
自分の作りたいのもじゃなくて、どんな人に役立つか考える
販売方法を決める
誰に何をお届けしたいのか、自分のジャンルが決まったらどうやって販売していくか決めましょう。さまざまな販売サイトがあり、それぞれに得手不得手があります。例えば百貨店と地域のマルシェでは価格帯も変わってきます。
お届けしたいお客様は、どんなとこで購入しているのか想像して販売先を決めるといいでしょう。すべてはお客様目線で考えるクセを付けることをおススメします。
あなたのお客様になりそうな人は、どんなとこでお買い物してる?
屋号やロゴ、ブランドカラーを決める
屋号があると今後発信したりする際、とても役に立ちます。
私は屋号を決めてすぐ、プロの方にロゴも作ってもらいました。お店のコンセプトが決まっていると思うので、その世界観を表現できるロゴになるようイメージをお伝えして依頼しました。私はココナラというサイトを使いましたが、インスタグラムなどのSNSで気に入った作家さんがいたら直接連絡して書いてもらったという方もいらっしゃいます。
その際、自分のブランドイメージをお伝えして相談しながらブランドカラーも決めました。このブログのテーマカラーも私のブランドカラーにしています。
屋号、ロゴ、ブランドカラーを決めていると、SNSでの発信やイベント出店の際、ブランドイメージがブレずにお客様にも認識してもらいやすくなるので個人的にはオススメしていますが、まずは屋号だけでも決めると良いと思います。
屋号にも想いや意味を持たせよう
SNSなどで発信する
制作物が決まったら、商品やあなたの存在を知ってもらう必要があります。ハンドメイド品は売れないとよく言われますが、そもそも知られていないから売れないのです。売れないからと価格を下げたりする前に、まずは知ってもらう努力をしましょう。どれだけ見てもらえる場に露出しているかがカギになります。認知してもらう為にはコツコツ地道にやっていくのが、一番の早道かもしれませんね。
今はインターネットというとても有力な武器があります。上手く使って世界中の人に存在を知ってもらうことも可能な時代です。
そもそも知ってもらわないと買ってもらえない
何を発信すればいいのか分からないという方は、こちらの記事をご覧下さい。
販売場所6選 & おススメの販売サイト
ハンドメイドで商品を作れるようになったらいざ販売です!でも、どこでどうやって販売すればいいんだろう?販売ルートは色々ありますが、ここでは6選ご紹介します。
1.ハンドメイド販売サイト
ハンドメイド販売サイトは、ハンドメイド商品を専門に販売するWedサイトで、ハンドメイドマーケットとも呼ばれます。
いわゆる百貨店のWEB版ような場所で、いろいろな作家さんが登録しお客様もハンドメイド商品を探しにやってくるサイトです。minneやCreema、iichiなどが代表的です。
最大のメリットは集客力です。とにかくたくさんの人が目的の商品を探しにアクセスするので見てもらえる機会が増えます。が、商品数が多すぎて自分の商品を見つけてもらいにくいというのも現実です。サイトにたくさんお客様がいるけど、自分の商品に辿り着いてもらう為の工夫が必要です。
またminneとCreemaどっちの方がよく売れますか?という質問も多いですが、どちらも手数料は約10%ほどで、違うのは客層や商品単価です。
個人的な感想ですが、minneは可愛くて流行りモノや安いものを探しているお客様が多く、Creemaではやや高価でも品質や素材にこだわったモノを探しているお客様が多いイメージです。
どちらの方がよく売れるのかは、商品やブランドの世界観によるので、自分の商品がどのサイトに合うか、登録は無料なのでいろいろ試してみるといいのではないでしょうか。
2.自分のWEBショップを持つ
自分でショップのデザインを決めオンラインショップを運営する販売タイプです。
BASEやstoresなどが代表的です。
minnneやCreemaが百貨店とすれば、こちらはWEB版個人商店といった感じです。自分のサイトに来てもらえれば、お客様が他のショップに目移りすることはありません。
最初の集客が大変というデメリットはありますが、自分の商品をじっくり見てもらえる、自分の商品に興味がある人が訪問してくれるというメリットもあります。手数料もプランによって異なりますが、スタンダードプランで約3.6%です。
ショップ作成もフォーマットがたくさん用意されていて簡単に作ることが出来ます。
私の個人的オススメは自分のオンラインショップをもつこの販売方法です。ハンドメイド販売アプリにも登録しつつ、メインは自分のサイトで販売しています。
どこで販売しても結局は自分でアピールして集客しないといけないので、少しでも手数料の安い方がいいからです。アピール方法はやはりSNSが多いのではないでしょうか。その場合は人を惹きつけられるような文章も書けるといいですね。
3.フリマアプリ
フリマアプリとは、モバイル上でフリーマーケットに出品できるアプリです。メルカリやラクマが代表的です。
こちらもお客様が多くサイトに訪問しますが、なんといっても取引相場が安く値下げ交渉も多いです。中古品が多く出品されているので、リーズナブルに商品を手に入れたいと思っているお客様が多いのが特徴です。
4.委託販売
ハンドメイド品を専門で取り扱うお店や、知り合いのお店に置いてもらう販売方法です。お店側が集客をしてくれたり取り置き対応してくれたりしてくれる場合もあります。
自分の作品の雰囲気に合ったお店が見つかれば、お客様もその雰囲気が好きな方が訪問されるので、商品とお客様のマッチングができ購入されやすいというメリットがあります。季節ごとに商品を入れ替えたり、オーナーさんと仲良くなることをおススメします。
デメリットは手数料がアプリを使ったWEB販売より高いことです。しかし、お店側の人件費もかかるのでこれは仕方ないですね。
5.DMでお客様と直接やり取りする
InstagramなどのDMで直接お客様とやり取りをして販売することもあります。
細かいオーダーなどお客様としっかりやり取りが出来ますが、支払方法に制限と不安が出てきます。
手数料がかからないというメリットはありますが、支払に関してはトラブル防止の対策は考えておいた方がいいでしょう。いただいたオーダー品を作って販売サイトで購入してもらう方法もあります。
6.ハンドメイドイベントやマルシェ・百貨店
地元で開催されているマルシェやハンドメイドイベントに参加して、対面販売する方法です。対面販売の方がオンライン販売より売れやすい傾向にあります。
しかし出展料がかかったり、販売場所が屋外の場合は天候に左右されたり、什器(商品を置く棚など)が必要になったりと準備が大変です。
お客様の声を直接聞くことで次の作品作りのヒントになったり、気持ちがあたたかくなったり、リピート客が付きやすいといったメリットもあります。
副業でハンドメイド販売する魅力と大変さ
副業でハンドメイドを選ぶ方はやっぱり作ることが好きで、作ったのもが誰かに認められてあたたかい感謝の言葉が返ってくる。お金だけでなく、心の豊かさも得られる。そんなところに魅力を感じている方が多いと思います。しかし一人で企画販売から発送業務まで行う為、大変な作業もあります。ハンドメイド作家の現状を具体的に見ていきましょう。
好きな事で心のデトックス
副業でハンドメイドを考えている人は、本業のお仕事があると思います。本業で疲れているとき、自分の得意な事に熱中できるハンドメイドで、日頃のしんどさをリセットし、心のデトックスを行えるという魅力があります。
売れなくてもいい、作っている時間が幸せ。
そんな作家さんもたくさんいらっしゃいます。大人になっても無心になって取り組めるものがあるって、実はとても幸せなことだと思います。
ハンドメイド作家の収入目安
下記のグラフをご覧ください。
このグラフを見て分かる通りハンドメイド販売で月10万円以上売れている人は全体のたった2.3%!90%以上の人が月の売上5万円以下というのが現実です。
出典:minne byGMOペパボ
ハンドメイドが好きだけど、これ1本で生活するのが厳しかったり安定した収入を求めて会社勤めをしつつ、副業でハンドメイドをする方もいらっしゃると思います。
ご存じのようにハンドメイド作品を作って、サイトに掲載したらすぐ売れるなんてことはまぐれなので、焦らずじっくりご自身のブランドとファンを育ててみてはいかがでしょうか。
副業ハンドメイド作家の現実
自分の作品を販売するという事は、クオリティの高い作品を作れることはもちろん、それ以外に綺麗な写真を撮って、告知文を考えて、ネットショップに掲載して、集客して、買ってもらって、入金の確認して、梱包して、発送してとやることが鬼のようにあります。もしかしたらクレーム対応だって発生するかもしれません。
そして副業で行うという事は、本業の仕事もあるということです。
その面でいえば、専業作家さんの作業量に追いつくのは大変な場合もあります。
しかし大変そうに見えるハンドメイド販売ですが、24時間を無駄なく使えば時間はいくらでも作り出せるので1日のスケジューリングをしっかり行えば問題ありません。
私の場合は大まかな1年及び1か月毎の目標を立てたうえで、今日はなにを終わらすか、毎朝起きたときに決めて業務を確実に終わらせています。
副業で頑張っている方は夜中に作業する場合も多いですが、睡眠はしっかりとってください。体が資本になりますので健康であることが第一です。
早め早めの計画をしっかり立てて自己管理!
初心者がハンドメイド販売する際のコツ
顧客目線での作品作り
これはお仕事として制作するのであれば絶対です。
自分の好きなモノを感覚のまま作ってできたから買って~♡なんて販売方法をしている方はそんなにいないと思いますが、これでは売れません。
コンセプトを決める段階で、どんな人に使ってもらいたいか決まっていると思うので、その人があったらいいなと思うものや困っていそうなことを解決できそうな商品を考えます。
趣味のハンドメイドから抜け出せない人の多くが、自分の作りたいものだけを作っている人です。お仕事で頑張りたい方はお客様目線で、商品が使用されている様子や飾られている様子を鮮明にイメージしながら作成してみて下さい。
きっとその商品が刺さる方が現れますよ♪
商品の質を上げる
これは大前提です。商品の質とは、強度や完成度の高さなどですが、それらを完璧に作り上げてこそお仕事です。私たちハンドメイド作家は職人ですので、自分の腕に恥じることのないようモノ作りのレベルを常に上げる努力はされて当然です。
作り手はどうしても自分が作ったモノに愛着を持って可愛く見えてしまいますが、そのフィルターをとって第3者目線で商品と向きあってみて下さい。
価格競争に巻き込まれない
一生懸命作った作品、なかなか購入してもらえないと不安になりますよね?真っ先に対応してしまうのが、『値下げ』ではないでしょうか。
きっと高いから買ってもらえないんだ…そう思う作家さんも多いはず。
でもこれは一番最後にする対応です。赤字の価格設定なんかはハッキリ言って最悪です。値下げよりももっとやるベきことがあるはずです。作品を知ってもらえるよう十分露出できているか?使ってもらいたい人は明確か?写真でしっかり伝えられているか?
私たち個人事業主が価格で勝負すれば悲惨な結果しか待っていません。
価格勝負できるのは、資金がたっぷりある大企業だけです。
なので価格競争に巻き込まれないように、他の作家さんとどんなとこが違うのか、あなたが作る作品の魅力や特徴をまずはあなた自身が把握して、たくさんの人に知ってもらえるように頑張ってみましょう!
魅力を発信しフォロワーとの繋がりを大切にする
SNSで自分の作品を紹介している方も多いのではないでしょうか?でもそのSNSで、販売のご案内ばかりしていませんか?基本的に売込み感を察知するとフォロワーさんは離れていきます。
でも離れるどころか、購入してくれるフォロワーさんもいます。それはどんな人かというと、あなたのファンです。
つまりSNSはフォロワーさんと交流して、あなたのファンになってもらえたら自然と購入率も上がっていきます。なので売りたい気持ちをぐっとこらえてSNSではコミュニケーションを図ってみてはいかがでしょうか。
写真のクオリティを上げる
これは言わずもがなですね。ネットで販売する作家さんにとって、写真は命です。お客さんが一番初めに目にしてもらうのは写真です。
写真にはいろんなノウハウがSNSでも流れていますが、とにかく撮ってみるしか上達の方法はありません。私も当時は相当ひどい写真でした。今もまだまだ勉強中ですが、「写真を見て素敵だと思って購入しました!」とおっしゃってくださるお客様が少しずつ増えていきました。
私は家の中でiPhoneで撮影していますが、家のどこで撮るのが一番自分の理想の雰囲気を出せるのか、試しまくった結果です。つまり、ノウハウや道具を完璧にそろえるよりも、練習あるのみだという事です。
世界観を統一する
まず世界観とはナニ?と思いませんか?ほとんどの新人ハンドメイド作家さんが悩むのではないでしょうか?
一言でハンドメイドと言っても、作家さんによって得意なジャンルやスタイルは様々。
例えばレジンアクサセリーひとつとってみても、ガーリー・ナチュラル・アンティークなど色んなテイストがあります。
そんな中、甘めスタイルも好きだけど、カッコイイ感じのも好きなんだよね~と色々作っていると、お客様からしたら一体このお店は人は何系なんだ?て混乱させてしまいます。
自分が作りたいものじゃなくて、どんなお客様に届けたいか?
それを決めたうえで、自分の作品スタイルやカラーが決まればそれが世界観になります。作品の写真を見ただけで、これはあなたの作品だ!って認識されるようになれば、あなたの世界観作りは成功です♪
梱包材の研究
いざ作品が売れました!!嬉しい!!梱包して発送しよう!
しかしこの梱包、ただ商品が無事に届くだけではダメだってこと、お分かりですよね?
必要以上のラッピングをする必要は必ずしもないけど、透明袋に入れて小さなダンボールで送るだけでは感動があまりにもなさすぎます。
商品が届いて、箱を開けるワクワク感も楽しんでもらえるよう工夫するのがプロのハンドメイド作家です。
一言お手紙を添えたり、同封するカードを作成したり、箱に香りをつけたり、商品が作家さんによって丁寧に扱われているかどうかってお客様に伝わります。このショップで買ってよかった!また買おう!そう思ってもらえるように、あなたがお客さんならどんな事されたら嬉しいのか考えて、楽しく梱包してみて下さいね♪
コツコツ継続する
ここまで見てきて、ハンドメイド作家さんて好きな時間に家で仕事して楽でいいね、なんて言葉は出てこないと思います。
勉強することも多く決して楽な仕事ではありません。
でもたくさんのお客様に喜んでもらえて、その反応が直に返ってくる素晴らしい仕事であることも間違いありません。
ただ、そこに至るまでにはたくさんの試行錯誤と失敗や迷走が付いてきます。これはハンドメイドの世界だけじゃなくてなんでもそうだと思います。
ハンドメイド作家として利益を出せるようになるかの決め手は
自分がほれ込んだことを、とことん愛して惚れぬくことが出来る情熱を持ち続けられるか!?
これだと思います。中途半端な気持ちでやっていることに結果何てついてきません。とことんお客様目線に立って、自分は相手にどんないいことをお届けできるのか?
脳みそにいっぱい汗かいて、たくさん失敗して、真実を見つける旅をしてみて下さい♡ちょっとうまくいかないからって、諦める事なんてないですよ。どんなに上手くいってる人も、みんな魅せてないだけで、いっぱい失敗してますから!諦めないでぇ!
まとめ
いかがでしたか?
大変だけど魅力たっぷりのハンドメイド作家。売上が上がるまでは、なかなか認めてもらえないけど、素敵なお仕事だと思います。
売れるようになるまでは、時間がかかる人もたくさんいると思いますが、今日の内容をよく考えながら実践すれば売れるための大枠は作れると思います。
大事なのは
- お客様目線で考える
- メディアの露出を増やす
- 諦めずにチャレンジし続ける
まずはこの3つを心がけてやってみて下さい。あなたのハンドメイド人生かより楽しくなることを心から応援しています!